1. はじめに
北海道函館工業高等学校(通称:函工・はここう)は、北海道函館市にある道立の工業高校です。
1901年(明治34年)創立の歴史ある学校で、地域の産業を支える数多くの技術者を輩出してきました。
機械科、電気科、電子機械科、建築科、土木科の5学科を擁し、それぞれ専門的な知識・技能を習得する実践的な教育が行われています。
また、部活動や課題研究、地域連携活動などを通じて、社会性や創造力も育む教育を展開しています。
2. 高校の基本情報
- 正式名称:北海道函館工業高等学校
- 略称:函館工業高校、函工(はここう)
- 所在地:〒041-0808 北海道函館市桔梗1丁目26番1号
- アクセス:JR函館本線「桔梗駅」から徒歩約10分/函館バス「工業高校前」バス停すぐ
- 創立年:1901年(明治34年)
- 設置者:北海道
- 課程:全日制課程
- 設置学科:機械科、電気科、電子機械科、建築科、土木科
- 公式サイト:https://www.hakodate-th.hokkaido-c.ed.jp/
3. 偏差値・入試情報
函館工業高校の偏差値は以下の通りです(2024年3月時点、みんなの高校情報より)。
- 機械科:偏差値 45
- 電気科:偏差値 45
- 電子機械科:偏差値 45
- 建築科:偏差値 45
- 土木科:偏差値 45
5学科すべてで偏差値はほぼ同一水準であり、基礎学力とともに専門技術を身につけたい生徒が多く進学しています。
北海道の公立高校共通の入試制度により、「推薦入試」と「一般入試」が実施されています。
推薦入試では、調査書、面接、作文をもとに総合的に評価され、志望理由や将来の目標が重視されます。
倍率は年によって異なりますが、例年1.0~1.2倍程度で安定しています。
4. 学校の特色・強み
北海道函館工業高等学校は、120年以上の歴史を持ち、地域とともに発展してきた伝統校です。
教育目標は「創造力と実践力を兼ね備えた技術者の育成」であり、実習中心のカリキュラムを通じて、社会で即戦力となる人材の育成を目指しています。
5つの工業学科すべてに専用の実習室・設備が整備されており、旋盤、CNC工作機械、電気配線盤、建築模型製作機器、測量機器など、現場と同様の環境で学べるのが大きな特長です。
また、「課題研究」や「インターンシップ」など、実社会に触れる教育プログラムも積極的に取り入れられており、生徒の実践的なスキルと主体性を育んでいます。
地域イベントや産業フェスへの参加、函館市や企業との連携活動も多く、地域貢献を通じた人間形成にも注力しています。
5. 学科・コース紹介
函館工業高校では、以下の5学科が設置されており、各分野で専門的な知識と技術が習得できます。
機械科
金属加工、機械設計、CAD/CAM、旋盤・フライス盤の操作、溶接技術など、ものづくりの基本から応用までを学びます。
国家資格取得やロボット製作、加工技術コンテスト参加などを通じて、実践力を高めます。
電気科
発電・送電・配電の基礎から、電気工事や制御技術、電力機器の保守点検まで、電気全般の知識と技能を習得します。
第二種電気工事士の資格取得を目指した実技指導が充実しており、就職にも直結します。
電子機械科
機械と電気・電子を融合した教育を行い、ロボット制御やプログラミング、電子回路の設計などを学びます。
マイコンやセンサー制御、シーケンス制御の実習も多く、IoT時代に対応した技術者を育成します。
建築科
建築設計、建築構造、施工技術、CADを活用した設計製図などを通じて、建築の基礎から応用を学びます。
建築士受験への基礎知識を学びつつ、模型制作や現場見学を通して建築への理解を深めます。
土木科
測量技術、土木設計、施工管理、都市計画など、社会インフラに関する技術を幅広く学べます。
トータルステーションやドローン測量なども導入され、実践的なフィールド実習が豊富です。
6. 資格取得実績
函館工業高校では、各学科ごとに実務に直結する国家資格・検定の取得を重視しており、例年高い合格率を誇ります。
主な資格取得実績:
- 第二種電気工事士(電気科)
- 危険物取扱者(乙種第4類)
- 計算技術検定・情報技術検定(電子機械科・電気科)
- 建築CAD検定、建築製図技能検定(建築科)
- 測量士補、土木施工管理技士補(土木科)
- 技能検定(機械加工技能士など)
放課後には補講や模擬試験が行われ、教員による個別指導も丁寧に実施されます。
資格取得は就職や進学における大きな武器となるため、多くの生徒が複数の資格に挑戦しています。
7. 就職・進学実績
北海道函館工業高等学校は、就職・進学いずれにも高い実績を持ち、「即戦力」として多くの企業・大学から評価されています。
公式サイトによると、2023年度卒業生の就職率はほぼ100%であり、地元・道内企業を中心に多くの生徒が希望の進路を実現しています。
主な就職先:
- 日本製鉄株式会社 室蘭製鉄所
- トヨタ自動車北海道
- 北海電気工事株式会社
- 函館市役所(技術職)
- 函館どつく株式会社
- 道南バス株式会社
- 地元建設・電気設備・製造業各社
公共インフラや製造業、建設業など多岐にわたる分野で採用されており、各学科の専門性が活かされています。
また、進学希望者に対しても推薦枠やAO入試対策が充実しており、大学・短大・専門学校への進学率も安定しています。
主な進学先:
- 室蘭工業大学
- 北海道科学大学
- 函館高専(編入)
- 札幌科学技術専門学校
- 日本工学院北海道専門学校
進路指導部による面接練習、履歴書指導、企業研究支援などが丁寧に行われ、生徒の希望に応じた進路選択が可能です。
8. 部活動・生徒会活動
函館工業高校では、学業と並行して部活動も盛んに行われており、全国大会出場実績のある部も存在します。
運動系部活動:
- ラグビー部(全国大会出場経験あり)
- バドミントン部
- バスケットボール部
- 野球部、卓球部、陸上部 ほか
文化系・工業系部活動:
- ロボット研究部
- 電子技術部
- 建築研究部
- 写真部、美術部、吹奏楽部
工業系の部活動では、技術コンテストや高文連工業部会、ロボット競技大会などへの参加を通じて実力を磨いています。
また、生徒会は文化祭や体育祭の企画運営を担当し、生徒主体の学校運営に貢献しています。
9. 年間行事とイベント
函館工業高校では、年間を通して多彩な行事が行われ、学科ごとの特色ある活動や体験学習が取り入れられています。
主な年間行事:
- 4月:入学式、新入生オリエンテーション
- 6月:クラスマッチ、校外学習
- 7月:インターンシップ(2年生)
- 9月:工業祭(文化祭)、体育祭
- 11月:課題研究発表会
- 12月:企業見学・出前授業
- 3月:卒業式
特に「工業祭」では、各学科が制作した作品や研究成果を一般公開し、地域との交流が深まるイベントとなっています。
また、課題研究発表会では、3年生が1年間かけて取り組んだ研究成果を発表し、プレゼンテーション力や創造性を育成します。
10. 学校の評判・口コミ
口コミサイト「みんなの高校情報」などで寄せられている評価から、函館工業高校の評判をまとめました。
良い点:
- 資格がたくさん取れるので就職に強い。
- 実習が充実していて、手を動かすのが好きな人には最適。
- 先生が親身で進路相談も丁寧に対応してくれる。
- 部活動が活発で、特にロボットや電気系は力を入れている。
改善点として挙げられる声:
- 男子が多く、学科によっては男女比に偏りがある。
- 古い校舎も一部あり、施設の更新が求められる場面も。
総じて、「ものづくりが好きな生徒」「専門技術を身につけたい生徒」にとって非常に恵まれた環境であるとの声が多数です。
11. まとめ
北海道函館工業高等学校は、1901年創立の伝統と実績を誇る工業高校で、地域のものづくりやインフラを支える人材を数多く育成してきました。
機械、電気、電子機械、建築、土木という5つの専門学科が設けられ、各分野で高度な知識と技術を学ぶことができます。
実習中心のカリキュラム、充実した資格取得支援、地元企業との強い連携により、就職にも進学にも強い教育環境が整っています。
また、部活動や学校行事も活発で、勉強と課外活動を両立させながら、充実した高校生活を送ることができます。
工業祭や課題研究発表会など、生徒の学びの成果を発信する機会も多く、自信と達成感を持って卒業を迎えることができます。
こんな生徒におすすめ:
- 機械・電気・建築などの「ものづくり」が好きな人
- 就職に強い高校で、手に職をつけたい人
- 資格を取得して、将来の選択肢を広げたい人
- 地域に貢献する技術者として活躍したい人
技術を武器に社会に羽ばたきたいと考える中学生にとって、函館工業高校は最適な学びの場です。
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