1. はじめに
北海道札幌琴似工業高等学校(通称:琴工〈ことこう〉)は、北海道札幌市西区にある道立の工業高校です。
1959年の創立以来、札幌市をはじめとする地域産業を支える技術者を数多く輩出してきました。
設置学科は、機械科、電気科、電子科、建築科、設備システム科の5学科で、それぞれの分野に特化した専門教育が行われています。
実践的な授業や充実した実習設備、資格取得支援が特徴で、就職・進学の両面において高い実績を誇ります。
2. 高校の基本情報
- 正式名称:北海道札幌琴似工業高等学校
- 略称:札幌琴似工業高校、琴工(ことこう)
- 所在地:〒063-0804 北海道札幌市西区二十四軒4条6丁目
- アクセス:札幌市営地下鉄東西線「琴似駅」から徒歩約10分/JR函館本線「琴似駅」から徒歩約15分
- 創立年:1959年(昭和34年)
- 課程:全日制
- 設置学科:機械科、電気科、電子科、建築科、設備システム科
- 公式サイト:https://www.kotoni-th.hokkaido-c.ed.jp/
3. 偏差値・入試情報
札幌琴似工業高校の偏差値は以下の通りです(2024年3月時点、みんなの高校情報より)。
- 機械科:偏差値 44
- 電気科:偏差値 44
- 電子科:偏差値 44
- 建築科:偏差値 44
- 設備システム科:偏差値 44
すべての学科で同程度の偏差値となっており、工業技術を学びたい生徒にとって基礎学力を活かしながら専門知識を深めることができる環境です。
北海道内の公立高校入試制度に則り、「推薦入試」「一般入試」が実施されます。
推薦入試では、調査書・面接・作文などをもとに、工業分野への適性や意欲が評価されます。
倍率は年によって変動しますが、おおむね1.0~1.2倍前後で推移しています。
4. 学校の特色・強み
北海道札幌琴似工業高等学校は、札幌市内に位置する工業高校として、都市部の産業ニーズに応じた実践的な教育を行っています。
5つの専門学科を有し、それぞれの分野における基礎から応用までを学ぶカリキュラムが整備されています。
特に、少人数制の実習や、業界と連携したインターンシップ・企業見学など、卒業後に即戦力となるための実践的な学びが特徴です。
また、国家資格の取得を積極的に推奨しており、放課後や長期休暇を利用した対策講座など、手厚いサポート体制が整っています。
進学・就職いずれにも強く、札幌市内外の企業や大学・専門学校との連携を活かし、多様な進路選択が可能です。
5. 学科・コース紹介
札幌琴似工業高校では、以下の5つの学科が設置されており、それぞれの分野で専門性の高い教育を受けることができます。
機械科
機械加工、設計、CAD、溶接、旋盤・フライス盤など、ものづくりに関する幅広い技術を学びます。
実習では、金属加工や組立作業の基礎から応用までを身につけることができ、資格取得にも直結する内容が充実しています。
電気科
電気理論、電気工事、シーケンス制御、発電・送電・配電など、電気技術全般を学びます。
第二種電気工事士などの資格取得を目指し、配線作業や設備保守に関する実習が豊富に用意されています。
電子科
電子回路、デジタル制御、プログラミング、通信技術など、電子工学の基礎から応用までを学びます。
マイコンやセンサー技術を活用したロボット制御やIoT分野にも対応したカリキュラムが特徴です。
建築科
建築設計、製図、構造設計、施工管理など、建物の設計から施工に至るまでの技術を学びます。
CADを活用した設計演習や、建築士試験の基礎学習も充実しており、将来の進学や資格取得にも対応した指導が行われます。
設備システム科
建築設備(空調・水道・電気設備)に関する知識と技術を学び、住宅やビルのインフラ設計・施工管理を習得します。
現場実習や企業との連携学習も豊富で、設備工事やメンテナンスの実務を学べることが特徴です。
6. 資格取得実績
札幌琴似工業高校では、各学科の専門知識を活かした資格取得を推奨しており、卒業時には複数の資格を取得する生徒が多くいます。
放課後の補習や模擬試験、外部講習会など、資格取得支援のためのサポートが充実しています。
主な資格取得実績:
- 第二種電気工事士(電気科)
- 危険物取扱者(乙種第4類)
- 計算技術検定・情報技術検定(電子科)
- 建築CAD検定、建築施工管理技士補(建築科)
- 管工事施工管理技士補(設備システム科)
- 技能検定(機械加工、電子機器組立てなど)
資格取得は、進学・就職の際に大きなアピールポイントとなり、企業からの評価も高いです。
7. 就職・進学実績
北海道札幌琴似工業高等学校は、札幌市内外の企業や大学・専門学校とのつながりが強く、就職・進学の両面で高い実績を誇ります。
2023年度の卒業生の進路状況は、就職が約60%、進学が約30%で、いずれの選択肢にも対応できる教育環境が整っています。
主な就職先(2023年度実績):
- 北海道電力株式会社
- 日本製鉄株式会社 室蘭製鉄所
- トヨタ自動車北海道株式会社
- 王子製紙株式会社
- 札幌市役所(技術職)
- 大手建設会社・設備工事会社
- 札幌市内の電気工事・製造業・IT企業
主な進学先:
- 室蘭工業大学
- 北海道科学大学
- 札幌学院大学
- 日本工学院北海道専門学校
- 札幌科学技術専門学校
進学希望者には、推薦入試対策、小論文指導、面接練習などの支援が行われ、希望する進路の実現に向けたサポートが充実しています。
8. 部活動・生徒会活動
札幌琴似工業高校では、学業と部活動の両立を推奨しており、特に工業系クラブの活動が盛んです。
運動系部活動:
- バスケットボール部
- バドミントン部
- サッカー部
- 野球部、卓球部、陸上部 など
文化系・工業系部活動:
- ロボット研究部
- 電気研究部
- 建築デザイン部
- コンピュータ部、吹奏楽部、美術部 など
「ロボット研究部」では、プログラミングや制御技術を活かしたロボット製作を行い、コンテストにも積極的に参加しています。
また、生徒会は文化祭や体育祭の運営を担い、学校行事を通じて生徒主体の活動を展開しています。
9. 年間行事とイベント
札幌琴似工業高校では、学校生活を充実させる多くの行事が開催されています。
主な年間行事:
- 4月:入学式、新入生オリエンテーション
- 6月:クラスマッチ、校外学習
- 7月:インターンシップ(2年生)
- 9月:工業祭(文化祭)、体育祭
- 11月:課題研究発表会
- 12月:進路ガイダンス
- 3月:卒業式
「工業祭」では、各学科の制作物展示や実演が行われ、地域住民にも公開される一大イベントです。
「課題研究発表会」では、3年生が1年間かけて取り組んだ研究成果を発表し、プレゼンテーション能力を養います。
10. 学校の評判・口コミ
口コミサイト「みんなの高校情報」や卒業生の声をもとに、札幌琴似工業高校の評判をまとめました。
良い点:
- 就職実績が高く、地元企業からの評価も良い。
- 資格取得支援が充実しており、在学中に複数の資格を取れる。
- 工業祭や課題研究発表会などのイベントが楽しい。
- 先生が親身で進路相談にしっかり対応してくれる。
改善点として挙げられる声:
- 男子生徒の割合が高く、学科によっては女子が少ない。
- 一部の施設がやや老朽化している。
全体として、「技術を学びたい」「就職に強い学校を選びたい」という生徒にとって、非常に適した環境であると評価されています。
11. まとめ
北海道札幌琴似工業高等学校は、札幌市内に位置する工業高校として、ものづくりや技術分野に興味のある生徒にとって最適な学習環境を提供しています。
機械・電気・電子・建築・設備システムの5学科が設置され、専門的な技術や知識を実践的に学ぶことができます。
資格取得支援や進路指導が充実しており、就職・進学どちらの道も開かれているため、自分の希望に合わせた将来設計が可能です。
また、工業祭や課題研究発表会、部活動など、学校生活を充実させるイベントも多く、学業以外の面でも成長できる環境が整っています。
こんな生徒におすすめ:
- 機械・電気・建築・電子などの技術分野に興味がある人
- 資格を取得して就職に有利なスキルを身につけたい人
- 札幌市内で専門的な工業教育を受けたい人
- ものづくりが好きで、実習中心の学びを希望する人
札幌琴似工業高校は、確かな技術と知識を習得し、社会で活躍できる人材を育成する工業高校です。
「技術で未来をつくる」――そんな夢を持つ中学生にとって、理想的な進学先となるでしょう。
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