1. はじめに
香川県立高松工芸高等学校(通称:高松工芸高校)は、香川県高松市にある県立の専門高校です。
1894年に創立され、香川県内で最も長い歴史を持つ工業・デザイン系の専門高校として、多くの技術者やデザイナーを輩出してきました。
現在、機械科・電気科・建築科・工芸科・デザイン科の5つの学科を設置し、工業技術やクリエイティブな分野の専門教育を提供しています。
特にデザイン科や工芸科は、全国でも珍しい学科構成となっており、アートやプロダクトデザイン、伝統工芸を学ぶことができます。
また、実習や課題研究を重視したカリキュラムが特徴で、在学中に資格取得やコンペティションへの参加を通じて、実践的なスキルを磨くことができます。
2. 高校の基本情報
- 正式名称:香川県立高松工芸高等学校
- 略称:高松工芸高校
- 所在地:〒760-0079 香川県高松市松縄町1131
- アクセス:ことでん琴平線「三条駅」から徒歩約10分
- 創立年:1894年(明治27年)
- 課程:全日制
- 設置学科:機械科、電気科、建築科、工芸科、デザイン科
- 公式サイト:https://www.kagawa-edu.jp/takogih01/
3. 偏差値・入試情報
高松工芸高校の偏差値は以下の通りです(2024年3月時点、みんなの高校情報より)。
- 機械科:偏差値 46
- 電気科:偏差値 46
- 建築科:偏差値 47
- 工芸科:偏差値 48
- デザイン科:偏差値 50
香川県の公立高校入試制度に基づき、「推薦入試」「一般入試」の2方式が実施されます。
推薦入試では、面接・調査書・実技試験(デザイン科・工芸科のみ)を基に、学科ごとの適性や意欲が評価されます。
一般入試では、5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の筆記試験と面接試験が行われます。
工芸科・デザイン科では、作品のポートフォリオ提出が求められる場合があります。
4. 学校の特色・強み
香川県立高松工芸高等学校は、機械・電気・建築・工芸・デザインの5つの専門学科を設置し、技術者やクリエイターを育成する専門高校です。
香川県内外の企業や大学と連携し、インターンシップや作品発表の機会が豊富に用意されています。
また、伝統的な工芸技術から最新のデジタル技術まで、幅広い分野を学べるカリキュラムが特徴です。
特にデザイン科と工芸科では、全国規模のデザインコンペやアートイベントへの参加が活発で、数々の受賞歴を誇ります。
5. 学科・コース紹介
高松工芸高校では、以下の5つの学科を設置し、それぞれの分野で専門的な知識と技術を学ぶことができます。
機械科
旋盤・フライス盤・溶接・CAD/CAMなど、ものづくりの基礎から高度な加工技術まで学びます。
「機械加工技能士」「フォークリフト運転技能講習」などの資格取得を目指し、製造業・自動車業界への就職実績が豊富です。
電気科
電気回路、発電・送電・配電、電気工事実習、シーケンス制御などを学びます。
「第二種電気工事士」「工事担任者」などの資格取得が可能で、電力・通信・設備業界で活躍できる技術者を目指します。
建築科
設計製図、建築構造、施工管理などを学びます。
「建築CAD検定」「測量士補」などの資格取得を支援し、建築業界・設計事務所・ゼネコンへの進路が豊富です。
工芸科
伝統的な工芸技術(木工・陶芸・金属加工など)を学びながら、現代的なプロダクトデザインやデジタル加工にも挑戦します。
全国高等学校デザイン選手権大会(デザセン)や工芸展への出展を通じて、実力を高める機会が豊富です。
デザイン科
グラフィックデザイン、イラスト、映像制作、Webデザインなど、幅広いデザイン技術を学びます。
企業とのコラボレーションやコンペ出品を通じて、実践的なデザインスキルを身につけます。
6. 資格取得実績
高松工芸高校では、在学中に複数の国家資格や技能検定を取得できるよう、資格取得支援が充実しています。
対策講座や実技指導を通じて、資格試験の合格率も高く、就職活動において強みとなります。
主な資格取得実績:
- 第二種電気工事士(電気科)
- 第一種電気工事士(電気科)
- 機械加工技能士(機械科)
- 基本情報技術者試験(電気科)
- ITパスポート(電気科・デザイン科)
- 建築CAD検定(建築科)
- 測量士補(建築科)
- 色彩検定(デザイン科・工芸科)
- グラフィックデザイン検定(デザイン科)
資格取得を活かし、各分野で即戦力として活躍できる人材を育成しています。
7. 就職・進学実績
香川県立高松工芸高等学校は、工業技術やデザインの専門性を活かし、就職・進学の両方において高い実績を誇ります。
特に建築・機械・電気分野では地元企業や全国の大手企業への就職が多く、デザイン・工芸分野では芸術系大学や専門学校への進学者も多数います。
2023年度の進路状況:
- 就職:70%(主に機械科・電気科・建築科)
- 大学・短大進学:20%(主にデザイン科・工芸科)
- 専門学校進学:10%
主な就職先(2023年度実績):
- 四国電力
- 三菱電機
- 川崎重工業
- JR四国
- 香川県庁(技術職)
- 大手建設会社・ゼネコン
- グラフィックデザイン・広告企業
主な進学先:
- 香川大学(工学部・デザイン学部)
- 徳島大学(理工学部・建築学科)
- 武蔵野美術大学
- 多摩美術大学
- 日本大学(理工学部・生産工学部)
- 専門学校(建築・デザイン・映像・アニメーション分野)
県内外の企業や大学との連携が強く、各学科での専門分野を活かした進路実績が豊富なのが特徴です。
8. 部活動・生徒会活動
高松工芸高校では、学業と並行して部活動も活発に行われており、特にデザイン・技術系のクラブが充実しています。
運動系部活動:
- サッカー部
- バスケットボール部
- バドミントン部
- 陸上競技部
- 野球部
文化系・工業技術系部活動:
- ロボット研究部(ロボコン・制御技術)
- 建築デザイン部(建築設計・模型制作)
- 情報技術研究部(プログラミング・IT研究)
- 美術部(イラスト・絵画・彫刻)
- 映像制作部(アニメーション・CG)
「ロボット研究部」は全国高等学校ロボットコンテスト(ロボコン)に出場し、優秀な成績を収めています。
9. 年間行事とイベント
高松工芸高校では、工業・デザイン教育を活かしたイベントが充実しており、地域とも連携した活動が行われています。
主な年間行事:
- 4月:入学式、新入生オリエンテーション
- 6月:クラスマッチ、企業見学
- 7月:インターンシップ(2年生)
- 9月:工芸祭(文化祭)、体育祭
- 11月:課題研究発表会(3年生)
- 12月:企業説明会・進路ガイダンス
- 3月:卒業式
「工芸祭」では、各学科の生徒が制作した作品や研究成果を展示し、実演を行う機会もあります。
「課題研究発表会」では、3年生が一年間かけて取り組んだ研究内容をプレゼンし、実践的な技術力とプレゼンテーションスキルを身につけます。
10. 学校の評判・口コミ
口コミサイト「みんなの高校情報」や卒業生・保護者の意見をもとに、高松工芸高校の評判をまとめました。
良い点:
- 就職率が非常に高く、地元企業やデザイン業界からの信頼が厚い。
- 資格取得支援が充実しており、在学中に複数の資格を取得できる。
- デザイン科・工芸科の実習が充実しており、作品制作の機会が多い。
- 先生が親身になって進路相談にのってくれる。
改善点として挙げられる声:
- 設備がやや古く、最新の機材が導入されるとより良い環境になる。
- デザイン・工芸科は課題の制作量が多いため、自己管理が求められる。
全体として、「確実に資格を取得したい」「デザイン・技術の分野で実践的な学びをしたい」「大手企業やアート業界に進みたい」生徒にとって、非常に適した環境であると評価されています。
11. まとめ
香川県立高松工芸高等学校は、機械・電気・建築・工芸・デザインの5つの学科を持ち、工業技術やデザイン分野の専門教育を提供する県内屈指の専門高校です。
地域の産業やデザイン業界と連携しながら、伝統技術から最先端技術まで幅広く学ぶことができ、即戦力となる人材を育成しています。
特に資格取得支援と企業推薦枠が充実しており、卒業後の就職率はほぼ100%を誇ります。
また、進学希望者には芸術系・工学系の大学や専門学校への進学支援が手厚く、さらなる学びを求める生徒にも最適な環境です。
さらに、工芸祭や課題研究発表会、部活動などの学校行事が充実しており、技術力だけでなく、協調性やプレゼンテーション能力など、社会で求められるスキルを身につけることができます。
こんな生徒におすすめ:
- 機械・電気・建築・デザイン・工芸技術に興味がある人
- 資格を取得し、大手企業やデザイン業界で働きたい人
- ものづくりやアートに関心があり、実習中心の学びを希望する人
- 進学・就職の選択肢を広げたい人
「技術と創造力で未来を切り拓く」――そんな想いを持つ中学生にとって、高松工芸高校は最適な進学先となるでしょう。
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