1. はじめに
山梨県立甲府工業高等学校(通称:甲府工業高校)は、山梨県甲府市にある県立工業高校です。
1922年に創立され、100年以上の歴史を持つ伝統校であり、山梨県内の産業技術を支える技術者を数多く輩出してきました。
機械科・電気科・電子科・建築科・土木科・インテリア科の6つの専門学科が設置されており、それぞれの分野に応じた実践的な技術教育が行われています。
特に、建築科やインテリア科では設計・製図・施工管理などを学ぶことができ、建築士やインテリアデザイナーを目指す生徒に人気があります。
また、資格取得支援やインターンシップ制度が充実しており、卒業後は高い就職率を誇ります。
2. 高校の基本情報
- 正式名称:山梨県立甲府工業高等学校
- 略称:甲府工業高校
- 所在地:〒400-0861 山梨県甲府市城東3丁目12-24
- アクセス:JR「甲府駅」から徒歩約20分
- 創立年:1922年(大正11年)
- 課程:全日制
- 設置学科:機械科、電気科、電子科、建築科、土木科、インテリア科
- 公式サイト:https://www.kofu-th.ed.jp/
3. 偏差値・入試情報
甲府工業高校の偏差値は以下の通りです(2024年3月時点、みんなの高校情報より)。
- 機械科:偏差値 45
- 電気科:偏差値 46
- 電子科:偏差値 46
- 建築科:偏差値 44
- 土木科:偏差値 43
- インテリア科:偏差値 42
山梨県の公立高校入試制度に基づき、「推薦入試」「一般入試」の2方式が実施されます。
推薦入試では、面接・調査書・作文を基に、各学科への適性や意欲が評価されます。
一般入試では、5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の筆記試験と面接試験が行われます。
工業技術科目の適性試験が課される場合もあります。
4. 学校の特色・強み
山梨県立甲府工業高等学校は、機械・電気・電子・建築・土木・インテリアの6つの学科を持つ、山梨県内屈指の工業高校です。
1922年の創立以来、即戦力となる技術者の育成を目的とし、地域産業と連携した教育を行っています。
特に資格取得・インターンシップ・課題研究に力を入れており、企業と協力した実践的な学びが充実しています。
また、全国高等学校ロボットコンテスト(ロボコン)や建築コンペなど、専門技術を活かした大会にも積極的に参加し、高い実績を誇ります。
5. 学科・コース紹介
甲府工業高校では、以下の6つの学科を設置し、それぞれの分野で専門技術を学ぶことができます。
機械科
旋盤・フライス盤・溶接・CAD/CAMなど、ものづくりの基礎から高度な加工技術まで学びます。
「機械加工技能士」「フォークリフト運転技能講習」などの資格取得を目指し、製造業・自動車業界への就職実績が豊富です。
電気科
電気回路、発電・送電・配電、電気工事実習、シーケンス制御などを学びます。
「第二種電気工事士」「工事担任者」などの資格取得が可能で、電力・通信・設備業界で活躍できる技術者を目指します。
電子科
電子回路・組み込みシステム・IoT技術などを学びます。
「基本情報技術者試験」や「ITパスポート」などの資格取得を目指し、IT企業やエンジニア分野への進路が開かれています。
建築科
設計製図、建築構造、施工管理などを学びます。
「建築CAD検定」「測量士補」などの資格取得を支援し、建築業界・設計事務所・ゼネコンへの進路が豊富です。
土木科
測量、土木設計、施工管理、都市計画など、社会インフラ整備に関わる技術を学びます。
「土木施工管理技士」「測量士補」などの資格取得を目指し、公共事業・建設業界・自治体技術職への就職実績があります。
インテリア科
家具・住宅設計、空間デザイン、施工技術を学びます。
「インテリアコーディネーター」「木工技能士」などの資格取得を目指し、デザイン業界・建築業界での活躍が期待されます。
6. 資格取得実績
甲府工業高校では、在学中に複数の国家資格や技能検定を取得できるよう、資格取得支援が充実しています。
対策講座や実技指導を通じて、資格試験の合格率も高く、就職活動において強みとなります。
主な資格取得実績:
- 第二種電気工事士(電気科)
- 第一種電気工事士(電気科)
- 機械加工技能士(機械科)
- 基本情報技術者試験(電子科)
- ITパスポート(電子科)
- 建築CAD検定(建築科)
- 測量士補(建築科・土木科)
- 土木施工管理技士(土木科)
- インテリアコーディネーター(インテリア科)
資格取得を活かし、各分野で即戦力として活躍できる人材を育成しています。
7. 就職・進学実績
山梨県立甲府工業高等学校は、県内外の企業から高い評価を受けており、毎年就職率はほぼ100%を維持しています。
また、専門学校や国公立・私立大学への進学者も多く、進学・就職の両方に強いのが特徴です。
2023年度の進路状況:
- 就職:80%
- 大学・短大進学:15%
- 専門学校進学:5%
主な就職先(2023年度実績):
- 日立製作所
- 三菱電機
- 東京電力
- 山梨県庁(技術職)
- 建設会社・ゼネコン
- IT企業(システムエンジニア・プログラマー)
主な進学先:
- 山梨大学(工学部)
- 金沢工業大学
- 日本大学(理工学部・生産工学部)
- 東京理科大学
- 職業能力開発大学校
企業推薦枠が充実しており、特に電気・機械・建築分野では大手企業への就職が多いのが特徴です。
8. 部活動・生徒会活動
甲府工業高校では、学業と並行して部活動も活発に行われており、特に工業技術系のクラブが充実しています。
運動系部活動:
- サッカー部
- バスケットボール部
- バドミントン部
- 陸上競技部
- 野球部
文化系・工業技術系部活動:
- ロボット研究部(ロボコン・制御技術)
- 電気工学クラブ(電気工作・回路設計)
- 建築デザイン部(建築設計・模型制作)
- 情報技術研究部(プログラミング・IT研究)
「ロボット研究部」は全国高等学校ロボットコンテスト(ロボコン)に出場し、優秀な成績を収めています。
9. 年間行事とイベント
甲府工業高校では、工業系教育を活かしたイベントが充実しており、地域とも連携した活動が行われています。
主な年間行事:
- 4月:入学式、新入生オリエンテーション
- 6月:クラスマッチ、企業見学
- 7月:インターンシップ(2年生)
- 9月:甲工祭(文化祭)、体育祭
- 11月:課題研究発表会(3年生)
- 12月:企業説明会・進路ガイダンス
- 3月:卒業式
「甲工祭」では、各学科の生徒が制作した作品や研究成果を展示し、実演を行う機会もあります。
「課題研究発表会」では、3年生が一年間かけて取り組んだ研究内容をプレゼンし、実践的な技術力とプレゼンテーションスキルを身につけます。
10. 学校の評判・口コミ
口コミサイト「みんなの高校情報」や卒業生・保護者の意見をもとに、甲府工業高校の評判をまとめました。
良い点:
- 就職率が非常に高く、企業からの信頼が厚い。
- 資格取得支援が充実しており、在学中に複数の資格を取得できる。
- 電子科の実習が充実しており、IT・AI技術を学べる。
- 先生が親身になって進路相談にのってくれる。
改善点として挙げられる声:
- 男子生徒の割合が高く、学科によっては女子が少ない。
- 校舎がやや古いため、設備の更新が必要な部分もある。
全体として、「確実に資格を取得したい」「実践的な技術を学びたい」「大手企業やインフラ関連業界に就職したい」生徒にとって、非常に適した環境であると評価されています。
11. まとめ
山梨県立甲府工業高等学校は、機械・電気・電子・建築・土木・インテリアの6つの学科を持つ、実践的な技術教育を提供する工業高校です。
地域の産業や大手企業と連携しながら、最先端の技術を学び、即戦力となる人材を育成しています。
特に資格取得支援と企業推薦枠が充実しており、卒業後の就職率はほぼ100%を誇ります。
また、進学希望者には工業系大学や専門学校への進学支援が手厚く、さらなる学びを求める生徒にも最適な環境です。
さらに、甲工祭や課題研究発表会、部活動などの学校行事が充実しており、技術力だけでなく、協調性やプレゼンテーション能力など、社会で求められるスキルを身につけることができます。
こんな生徒におすすめ:
- 機械・電気・電子・建築・土木・インテリア技術に興味がある人
- 資格を取得し、大手企業やインフラ関連業界で働きたい人
- ものづくりや社会インフラの整備に関心があり、実習中心の学びを希望する人
- 就職率の高い学校で確実に職業スキルを身につけたい人
「技術で未来を切り拓く」――そんな想いを持つ中学生にとって、甲府工業高校は最適な進学先となるでしょう。
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