1. はじめに
鳥取県立鳥取工業高等学校（通称：鳥工〈とりこう〉）は、鳥取県鳥取市にある県立の工業高校です。
1918年に開校し、地域の産業を支える技術者の育成を目的に、機械科・電気科・電子科・建築科・環境土木科の5学科を設置しています。
実習を重視したカリキュラムと、資格取得・就職支援が充実しており、毎年高い就職率を誇ります。
また、工業系大学や専門学校への進学希望者にも対応した学習環境が整っており、幅広い進路選択が可能です。
2. 高校の基本情報
- 正式名称：鳥取県立鳥取工業高等学校
- 略称：鳥取工業高校、鳥工（とりこう）
- 所在地：〒680-0942 鳥取県鳥取市湖山町東3丁目35
- アクセス：JR「湖山駅」から徒歩約10分
- 創立年：1918年（大正7年）
- 課程：全日制
- 設置学科：機械科、電気科、電子科、建築科、環境土木科
- 公式サイト：https://www.torikou.ed.jp/
3. 偏差値・入試情報
鳥取工業高校の偏差値は以下の通りです（2024年3月時点、みんなの高校情報より）。
- 機械科：偏差値 42
- 電気科：偏差値 42
- 電子科：偏差値 42
- 建築科：偏差値 43
- 環境土木科：偏差値 41
鳥取県の公立高校入試制度に基づき、「推薦入試」「一般入試」の2方式が実施されます。
推薦入試では、面接・調査書・作文を基に、工業分野への適性や意欲が評価されます。
一般入試の倍率は年度によって異なりますが、比較的安定した倍率で推移しています。
4. 学校の特色・強み
鳥取県立鳥取工業高等学校は、地域産業を支える技術者を育成するために、高度な工業教育を提供しています。
機械科・電気科・電子科・建築科・環境土木科の5つの学科があり、各分野の専門知識と技術を体系的に学ぶことができます。
特に実習を重視したカリキュラムが特徴で、企業との連携によるインターンシップや資格取得支援が充実しています。
卒業後は地元企業への就職が多く、就職率はほぼ100％を維持しており、進学希望者に対しても大学・専門学校への進学指導が手厚く行われています。
5. 学科・コース紹介
鳥取工業高校では、以下の5つの学科が設置され、それぞれの分野で高度な専門技術を学ぶことができます。
機械科
旋盤・フライス盤・溶接・CAD/CAMなど、機械加工や設計技術を学びます。
製造業や自動車関連の技術を習得でき、「機械加工技能士」や「フォークリフト運転技能講習」などの資格取得を目指します。
電気科
電気回路、発電・送電・配電、電気工事実習、シーケンス制御など、電気エネルギーの利用技術を学びます。
「第二種電気工事士」や「工事担任者」などの資格取得が可能で、卒業後は電力・通信・設備業界での活躍が期待されます。
電子科
電子回路、デジタル制御、IoT、マイコン制御、プログラミングなど、電子工学と情報技術の融合分野を学びます。
センサー技術やロボット制御など、次世代の技術開発に対応できる学びが充実しています。
建築科
建築設計、構造設計、建築施工管理、CAD実習など、建築物の設計から施工までの知識を学びます。
「建築士」を目指す進学指導も充実しており、建築業界への就職・進学に強い学科です。
環境土木科
測量、土木設計、都市計画、橋梁・道路設計、施工管理など、社会インフラを支える技術を学びます。
地元の建設会社や自治体と連携したフィールドワークを実施し、実践的な学びを深めます。
6. 資格取得実績
鳥取工業高校では、資格取得を重視し、工業系の国家資格や技能検定を在学中に取得することを推奨しています。
放課後や長期休暇には資格試験対策講座が開講されており、模擬試験や実技指導を受けることが可能です。
主な資格取得実績：
- 第二種電気工事士（電気科）
- 危険物取扱者（乙種第4類）
- 計算技術検定・情報技術検定（電子科）
- 建築CAD検定（建築科）
- 測量士補（環境土木科）
- ボイラー技士・フォークリフト運転技能講習（共通）
資格取得率が高く、これらの資格を活かして就職や進学に有利な状況を作ることができます。
7. 就職・進学実績
鳥取県立鳥取工業高等学校は、地元企業を中心に高い就職率を誇る工業高校です。
また、専門学校や国公立大学への進学実績もあり、工業技術を活かした多様な進路選択が可能です。
2023年度の進路状況：
- 就職：65％
- 大学・短大進学：20％
- 専門学校進学：15％
主な就職先（2023年度実績）：
- 三菱電機株式会社
- 中国電力株式会社
- 王子製紙株式会社
- JR西日本
- 鳥取県庁（技術職）、市役所（技術職）
- 大手建設会社、電気工事会社
主な進学先：
- 鳥取大学（工学部）
- 岡山大学（工学部）
- 広島工業大学
- 鳥取短期大学
- 日本工学院専門学校
企業推薦枠が充実しており、就職希望者のほぼ全員が希望する企業に内定を獲得しています。
進学希望者には推薦入試・一般入試対策として、小論文・面接指導や模擬試験が実施され、大学や専門学校への進学支援が充実しています。
8. 部活動・生徒会活動
鳥取工業高校では、学業と並行して部活動も活発に行われており、特に工業系のクラブが充実しています。
運動系部活動：
- サッカー部
- バスケットボール部
- バドミントン部
- 陸上競技部
- 野球部
文化系・工業系部活動：
- ロボット研究部（ロボコン・制御技術）
- 電気クラブ（電気工作・回路設計）
- 建築デザイン部（建築設計・模型制作）
- コンピュータ部（プログラミング・CG制作）
「ロボット研究部」は全国大会出場経験があり、技術コンテストにも積極的に参加しています。
9. 年間行事とイベント
鳥取工業高校では、工業系の専門性を活かした独自のイベントが充実しています。
主な年間行事：
- 4月：入学式、新入生オリエンテーション
- 6月：クラスマッチ、企業見学
- 7月：インターンシップ（2年生）
- 9月：鳥工祭（文化祭）、体育祭
- 11月：課題研究発表会（3年生）
- 12月：企業説明会・進路ガイダンス
- 3月：卒業式
「鳥工祭」では、各学科の制作物展示や実演が行われ、地域住民にも公開される一大イベントです。
「課題研究発表会」では、3年生が1年間かけて取り組んだ研究成果を発表し、プレゼンテーション能力を養います。
10. 学校の評判・口コミ
口コミサイト「みんなの高校情報」や卒業生・保護者の意見をもとに、鳥取工業高校の評判をまとめました。
良い点：
- 就職率が非常に高く、企業からの信頼が厚い。
- 資格取得支援が充実しており、在学中に複数の資格を取得できる。
- 先生が親身になって進路相談にのってくれる。
- 鳥工祭や課題研究発表会などのイベントが充実している。
改善点として挙げられる声：
- 男子生徒の割合が高く、学科によっては女子が少ない。
- 校舎がやや古いため、設備の更新が必要な部分もある。
全体として、「確実に資格を取得したい」「実践的な技術を学びたい」「高い就職率を求めたい」生徒にとって、非常に適した環境であると評価されています。
11. まとめ
鳥取県立鳥取工業高等学校は、地域の産業を支える技術者を育成する工業高校として、確かな技術と実践力を持った人材を輩出しています。
機械・電気・電子・建築・環境土木の5つの学科で専門性の高い教育が受けられ、資格取得やインターンシップ、課題研究を通じて、卒業後に即戦力として活躍できるスキルを磨くことができます。
また、就職率は毎年ほぼ100％に達しており、地元企業だけでなく全国の大手企業や公務員としても多数の卒業生が活躍しています。
進学実績も安定しており、工業系大学や専門学校への進学支援が充実しているため、さらなる学びを求める生徒にも適した環境です。
さらに、鳥工祭や課題研究発表会、部活動などの学校行事が充実しており、技術力だけでなく、協調性やプレゼンテーション能力など、社会で求められるスキルを身につけることができます。
こんな生徒におすすめ：
- 機械・電気・建築・土木などの技術分野に興味がある人
- 資格を取得し、就職に有利なスキルを身につけたい人
- ものづくりが好きで、実習中心の学びを希望する人
- 地元企業や公務員技術職として活躍したい人
「技術で未来を切り拓く」――そんな想いを持つ中学生にとって、鳥取工業高校は最適な進学先となるでしょう。
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