工業高校生が取る資格といえば!この乙4ですよね。
しかし、名前は聞いたことがあるものの、どんな資格か知らない、ガソスタで使うんだっけ?そのくらいの認識の方も多いかと思います。
そんな乙四(危険物取扱者 乙種 第4類 正式名称なげぇ)を今回は解説していきます。
危険物取扱者試験とは
ガソリンなどの消防法に基づく危険物の取り扱いや取り扱いに立ち合うために必要な国家資格です。
危険物にはガソリン以外にも、灯油や軽油などや黄リンのような個体も含まれますが、どれも正しい知識がないと火災の恐れがあるものばかりです。
危険物取扱者試験には「甲種」、「乙種」、「丙種」の3種類があり「甲種」が一番難易度が高い分、いろいろなことができて「丙種」は一番難易度が低い分、できることが少ないです。
その中で、最も有名で今回紹介する「乙種」は真ん中の難易度。
工業高校では全員受験になっていることも多いです。
ちなみに私も工業高校の2年生のとき全員受験で取得しました
また、工業系の大学に通っている方は工業系資格の入門編としてこの資格を取得する場合も多いでしょう
乙4とは
そもそも乙4とは危険物取扱者試験乙種第4類を略した呼び名です。
危険物取扱者試験の中の乙種の中の第4類というわけです。
第◯類とは?
今回ご紹介するのは乙種の第4類ですが、乙種には第1類〜第6類まであります。
このように分かれているのは「乙種」だけで「甲種」や「丙種」にはありません。
類によって取り扱うことのできる危険物が異なります。
具体的には、下記の表を見てください。ちなみに、この表も試験の範囲でよく出る問題なので、受験の際は覚えましょう!
扱える危険物 | |
第1類 | 酸化性個体 |
第2類 | 可燃性個体 |
第3類 | 自然発火性及び禁水性物質 |
第4類 | 引火性液体 |
第5類 | 自己反応性物質 |
第6類 | 酸化性液体 |
乙4でどんなことができる?
上記の表の通り、第4類では「引火性液体」を扱うことができます。
具体的には、ガソリンや軽油、アルコールや重油などです。
比較的他の類より身近なものが多いので、ガソリンスタンドや製造所などでは重宝する資格です。
前述の場所以外でも工場などで働く予定のある方は取っておいて損はありません。
また、乙4を持っていない人の取り扱いの立ち合いをすることができます。
有名な例だと、セルフのガソリンスタンドが該当します。
また、6ヶ月以上の実務経験がある者は危険物保安監督官になることができます。
危険物保安監督官とは、危険物を取り扱う施設の作業に関して保安の監督をする者のことです。
乙4が人気な理由
世間的にも危険物取扱者試験の中でも乙4は特に人気のある国家資格です。
ガソリンなどの身近なものに関する知識を問われるので、危険物取扱者試験の中では一番幅広く必要とされています。
ガソリンスタンドや工場など危険物を扱う職場では必須の資格になってくるので、人気なのです。
また、学歴や年齢など受験資格を問わないので受験することのハードルが低いのも人気な理由の一つだと思います。
乙4を取得するメリット
- アルバイトで給料が増える
- 就職・転職に有利
アルバイトで給料が増える
ガソリンスタンドなどでは資格手当として給料が少々増えることがあります。
また、アルバイトだけでなく危険物を取り扱うような仕事の場合、正社員でも資格手当として給料が増えることがあります。
就職・転職に有利
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドで主に扱う商品はガソリン、軽油、灯油どれも第4類の引火性液体に分類されています。
ビルのメンテナンスや管理
ビルのメンテナンスや管理の仕事に従事する人が初めに取得すると良いと言われているものに「ビルメン4点セット」というものがあります。
「ビルメン4点セット」とは「ボイラー2級技士」「第2種電気工事士」「第3種冷凍機械責任者」そして「危険物取扱者乙種第4類」です。
ビルのメンテナンスや管理をする会社では、これらを取ることが必須な場合もあるので、先に取得しておいて損はないと思います。
タンクローリーの運転手
ただ運転して危険物を運ぶだけなら「丙種」でも出来ますが、取り扱いや立ち会いができる「乙種」の方が重宝されます。
試験の詳しい内容・難易度
受験条件はある?
受験条件は一切ありません。
年齢、学歴、性別、国籍、どんな人でも受けることが可能です。
なんと最年少だと、小学生で受かった人もいるくらいです。
受験場所
全国47都道府県お好きな地域の大学や専門学校で受験できます。
他の、甲種や乙4以外の類、丙種の人も同時に試験を行うので、試験部屋を間違えないよう注意です、
もしわからなくなったら近くにいる人に聞きましょう、親切に教えてくれます。
また、トイレには先に行っておきましょう。
試験日・受験料
詳しい試験日は都道府県により異なりますが、ほぼ毎月、1〜2回行われています。
大学や専門学校で受験するため授業のない土曜日、日曜日に行われることが多いです。
受験料は4600円です。
試験の内容は?
試験時間は120分で合計35問出題されます。
途中退出可(再入室は不可)筆記試験で五肢択一式のマークシート方式です。
試験科目は3つの分野に分かれていて、それぞれの得点が60%以上で合格です。
試験科目 | 総問題数 | 合格最低ライン |
危険物に関する法令 | 15問 | 9問 |
基礎的な物理学及び基礎的な化学 | 10問 | 6問 |
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 | 10問 | 6問 |
合格率は?
乙4は30〜40%と低めです。
ちなみに甲種は30〜35%、丙種は50%前後
合格率低い原因を私なりに考えてみました。
- 他に比べダントツで受験者が多い(受験条件が無い)
- 学校での全員受験で受ける人も多く、嫌々受ける人がいる
- 有名な資格だけに、簡単と思われがちだが実はしっかり勉強しないと落ちる
- 試験科目3つそれぞれ全て6割以上で合格という難しさ
しっかり勉強して過去問対策をすれば落ちることはそうないでしょう。
免除制度
乙種(乙4)の試験では特定の資格を取得している場合、申請により一部免除されます。
危険物取扱者乙種の免状を有する者(類は問わない)は「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の全問25問分が免除されます。
ここで言う危険物取扱者乙種の免状というのは、試験を受ける類以外の類の免状という意味です。
例えば、第1類の免状があれば第4類を受験するときに免除されます。
免除された場合、受験する科目は「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」だけとなり、全部でたったの10問です。
その代わり、試験時間が短縮されており35分になります。
過去5年間の受験データ
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
2022年 | 164,751人 | 51,947人 | 31.5% |
2021年 | 234,481人 | 84,564人 | 36.1% |
2020年 | 200,876人 | 77,466人 | 38.6% |
2019年 | 221,867人 | 85,669人 | 38.6% |
2018年 | 240,102人 | 93,667人 | 39.0% |
グラフを見ると年々と合格率が下がっているのがわかります。
まとめ
- 乙4とは、引火性液体を取り扱い・立ち合いをすることができるようになる資格
- 受験に条件がなく誰でも受けることが可能
- 合格率は低いが、しっかりと勉強すれば問題ない
しっかりと勉強すれば合格できるような資格で、学校で学ぶ化学と似ている点が多いので、他の資格に比べて取っ付きやすいのでオススメです。
ぜひ、高校のうちに取っておきましょう。
ではまた。
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