こんにちは、えばです。
工業高校だけで行われている検定、その名も情報技術検定!
3級は全員受験になっている学校もあるので、工業高校の生徒なら知っている人も多いでしょう。
しかし、工業高校の多くは機械科や電気科がメインで、情報系に力を入れている学校でない限り2級以上の説明はほとんどされないと思います。
なので今回はそんな学校の先生に代わって、情報技術検定について1から徹底解説していきます!
情報技術検定とは
情報技術検定とは、全国工業高等学校長協会が行なっている試験です。
(全国工業高校長協会とは、その名の通り全国の工業高校が会員の組織です。公式サイト:公益社団法人全国工業高等学校長協会)
情報技術検定の目的について公式サイトにはこう書かれています。
情報技術検定試験の目的は、1級から3級までの3つの検定レベルに分けて、基礎的な情報技術に関するスキルが、どの程度身についているかを計ることにあります。
公益社団法人全国工業高等学校長協会より引用
このことから分かるように、情報技術検定では基礎的な知識やスキルが問われる検定試験です。
いわゆる高校生向けに実施されているIT資格検定の入門というわけです。
試験の大まかな内容は、情報系の基礎的な計算やソフトウェア・ハードウェアの知識から、フローチャート・プログラミングまでと、本当に範囲自体は広いと思います。
難易度は易しめですが、1級は少し難しいと思います。
そもそも解説サイトや参考書などがないので、その点を考慮したら勉強自体の難易度はITパスポートや基本情報技術者以上になるという事もあります。
教えられる先生がいれば難易度はそこそこ簡単です。
若干ですが、ITパスポートと範囲が違うので情報系の知識をもっと広くつけたい人はオススメです。
出題される問題の内容は、公式の問題集とほぼ同じです。
基本的に違う部分は計算問題の数値だけです。
なので公式の問題集をしっかり購入して、全て理解しておけば問題なく合格できます。
しかし、プログラミング問題に関しては一つ注意点があります。
他の問題と同じ様に、公式の問題集に出題されるプログラミング問題が書いてあるのですが、どこが虫食いになっているかは違うので、暗記ではなく理解して一通り書ける様にしましょう。
情報技術検定でどんなことができる?
残念ながら、特に出来ることはありません。
そもそも、検定というものは基本的に自分のスキルや知識量を証明するものです。
なので資格のように免状が取得できたり、特定の職業に就けたりということはありません。
更に前述した通り、情報技術検定は工業高校生だけが受けられる検定試験なので、世間的にはマジで知名度が低いと思われます。
あくまで工業高校の中だけで評価される検定試験と思っておきましょう。
メリットは?
大きなメリットはないのですが強いていうなら、ジュニアマイスターのポイントが楽に多く貰えるという点です。
それぞれ貰えるポイントは下記の通りです(下記は令和4年度前期の情報です)。
特別表彰:Aランク(20点)
1級:Bランク(12点)
2級:Dランク(4点)
3級:Eランク(2点)
令和4年度前期区分表より要約
特別表彰とは1級の試験で190/200点という優秀な点数の人を表彰する制度です。
また、特別表彰をとれば高校生には難しいと言われている、基本情報技術者試験と同じランクになり通常の2倍近くのポイントが貰えます。
1級だけでなく2級も3級も難易度に対してポイントが多いと思います。
その他のメリットとしては、就職や入試の面接で使えるという点もあります。
情報系について勉強していた・基礎的な知識があるという証明になります。
注意点としては、情報技術検定を知っている面接官の方が少ないので上手に説明しないといけません。
また、1級以外だと「なんで1級じゃないのか」とツッコまれる可能性があるので、しっかりと内容を考えて答えられる様にしておきましょう。
ITパスポートを持っている人は、ITパスポートと若干内容が違うので「情報系の知識をもっと広く学ぶために」とかを言えば情報技術検定をとった意味を説明できると思います。
しかし、正直この就職や入試の面接で使えるというメリットは、無いよりはマシくらいの話なので、このために情報技術検定を受験するのはオススメしません。
それなら国家資格とか漢検とか数検とかTOEICなどなど、もっと良い資格検定があります。
難易度
受験条件はある?
公式サイトの情報技術検定の実施要項から確認出来ます(下記は令和4年6月の情報です)。
5.受検資格 在校生、及び会場校責任者が認めた者
第68回情報技術検定試験実施要項より引用
工業高校の在校生は、そのままの意味ですが、会場校責任者が認めた者というのは、会場である工業高校にお願いして許可が出れば受験できます。
私の学校では確か3年生の時に1人だけ普通科高校の人が情報技術検定2級を受けにきていました。
かなり珍しい場合なので、工業高校生だけの検定試験だと思ってもらっても問題ありません。
試験の重要な詳細について
試験は1級〜3級まで分かれています。
試験の重要な詳細は下記の表にまとめました。
級 | 試験時間 | 試験の形式 | プログラミング言語 | 合格点 |
1級 | 1部門あたり50分 | 筆記試験 | C言語 | 各部門70% |
2級 | 50分 | 筆記試験 | JISFullBASICかC言語 | 70% |
3級 | 50分 | 筆記試験 | JISFullBASICかC言語 | 70% |
1級はハードウェア関連とプログラミング関連で試験が分かれているので、試験開始から試験終了まで途中休憩を含めず計100分です。
私の時は1級の受験者が私1人だったので、自由に休憩時間が貰えました(笑)
試験は筆記試験でマークシートではありませんが、選択問題が多めです。
2級と3級はプログラミング言語をJISFullBASICとC言語からお好きな方が選べます。
しかし、1級はC言語のみなのでC言語を選ぶことをお勧めします。
そもそも今時JISFullBASICはほとんど使う機会がないので、特別な理由が無ければC言語にしておけば問題ありません。
どの級の合格点も一律70%以上です。
1級はハードウェア関連とプログラミング関連で試験が分かれているのですが、どちらかが、70%超えていた場合はその分野は免除になる部門合格があります。
次にもう一度受けるときには、部門合格していた方の分野は受けなくてOKというわけです。
ちなみに私はどうしても受かりたかったので、片方ずつしっかり勉強して2回にかけて受験して合格しました。
試験の内容について
試験の内容は下記の通りです。
1級 | 1.コンピュータと社会 2.数の表現と論理 3.コンピュータの構造と利用 4.アルゴリズム 5.プログラム作成能力(JIS Full BASIC、C言語から選択) |
2級 | 1.数の表現と演算 2.論理回路 3.ハードウェアの知識 4.ソフトウェアの基礎 5.コンピュータの利用 6.アルゴリズム 7.プログラム作成能力(JIS Full BASIC、C言語から選択) |
3級 | 【ハードウェアの知識】 1.数の表現と処理 2.コンピュータの基本回路 3.コンピュータの基本構成と各部の動き 4.通信 5.ソフトウェアの基礎 6.その他の情報関連知識 ——————————————— 【プログラミングの基礎知識】 7.アルゴリズム 8.プログラム作成能力(C言語) |
どれも少しずつ書いてあることが違いますが、大抵の内容は同じです。
級が上がるごとに少し覚える様ことが増えるイメージです。
例えば、数の表現と論理(3級)→数の表現と演算(2級)→数の表現と処理(1級)
基本的な内容は同じです。
合格率は?
合格率は
1級 | 20%前後 |
2級 | 50%前後 |
3級 | 50%前後 |
合格率と難易度が比例していないと思います。
3級の難易度は合格率70%くらいのイメージです。
全員受験になっていたり、なんとなくで受験している人も多いのかなという印象がありますね。
2級も3級どちらも合格率が50%前後なのは、3級は全員受験になっているのに対して、2級は自発的に受験する人の方が多いからだと思います。
1級に関しては、実際の内容自体は合格率20%無いくらい難しいのですが、全国工業高校長協会の行っている検定の多くは、問題集からほぼ同じ問題が出題されるので対策しやすいと思います。
これが公式(全国工業高校長協会)からしか問題集が販売されていない理由かもしれませんね(笑)
受験場所
在籍している、希望した工業高校で行われます。
毎回、私の学校の場合は放課後の空き教室や製図室などの実習室で受験しました。
試験日・受験料
試験日は1月中と6月中です。
正確な日程は決まっていません。
受験料は以下の通りです。
1級 | 800円(税込) |
2級 | 600円(税込) |
3級 | 600円(税込) |
他の資格検定に比べて、とても安いと思います。
流石、全国工業高校長協会がやっているだけあって生徒のお財布事情を考えてくれていますね(笑)
民間企業とは違い、お金儲けのためにやっている訳では無いのも大きい理由でしょう。
まとめ
- 情報技術検定は情報の基本的な知識や技能を問う検定試験
- この検定によってできることやメリットは特にない
- 1級はハードウェア関連の問題とプログラミング関係の問題で試験が分かれている
- 1級は部門合格がある
という事でした。
ではまた。
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