こんにちは、えまです。
多くの中学生が抱える進路選択の悩み、特に「工業高校への進学」について話したいと思います。
私自身、工業高校出身のOBとして、後輩たちやこれから進路を決める学生たちに向けて、工業高校での実体験を基にリアルな話を伝えたいと考えました。
工業高校と聞くとどんなイメージを持ちますか?
実習が中心の日々、一般教科への取り組み、そして将来への進路選択。
今回は、そんな工業高校の全貌に迫るお話をインタビュー形式で書きました。
また、LINE風なのであなたがLINEで質問しているイメージで読んでみてください!
※今回は、あなたの代わりにヒツジくんが質問してくれています。
工業高校の時間割(スケジュール)について
工業高校の時間割(スケジュール)はどのようになっていますか?
6限まで授業がある日と7限まで授業がある日がありました。 授業の多くは中学生の頃と同じように主要5教科+体育でした。 そこに専門科目や資格取得のための授業、実習が組み込まれていました。 実習はほとんど2限連続でした。
工業高校ではどのような実習が行われますか?
1年生の頃は「電子工作」「溶接」「旋盤」など、2年生の頃は「マイコンロボット」「レゴ・アームロボット」「3Dモデリング」など、3年生では課題研究という大学の卒業研究のような自由なテーマを決めて研究・制作する実習がありました。
学校で使われている設備や機材について
学校で使われている設備や機材について教えてください
私の学校では工作系の部活が盛んだったので溶接や旋盤、フライス盤などは揃っていました。他にはアームロボットや電子工作室、3Dプリンター、サンドブラスターなどありました。
実習以外の授業(数学や英語など)について
実習以外の授業(数学や英語など)はどの程度ありますか?
体育などの副教科と英語と社会は普通科高校と変わりありません。私の学校では数学は数Aをやりませんでした。国語は普通科では現代文・古文のように分かれますが、工業科では中学生の頃と同じように国語の中に現代文や古文など一つの授業で学びました。理科も普通科では生物・化学のように分かれたり、選択科目になっていたりしますが、工業科では1年生の頃は化学、2、3年生は物理を学びました。
理科の学習内容が化学と物理に特化しているのは、工業分野で求められる知識と技術に直結しているからでしょうか?
はい、そうだと思います。化学は材料や危険物、溶接などで、物理は機械や検査などの計算、電子工作などで役に立ちました。化学は特に危険物取扱者試験で全く同じ問題が出てきます。物理は特に電子工作において電気計算が必須なので、物理が得意だと電子工作では活躍できます。
生徒たちはどのくらい一般科目の学習に取り組んでいるのでしょうか?
工業科の多くがそこまで偏差値が高いわけではないので、一般科目を熱心に勉強する生徒は少ないです。ただ、1〜2割程度は大学受験する生徒もいるので、一般科目に力を入れている生徒も一定数います。私もその一人です笑
工業高校生の進路について
工業高校の生徒はどのような進路を目指していますか?
多くの生徒は高卒から就職を目指します。工業高校の多くが職業人を育成するカリキュラムになっているので、高卒で就職したいと思っている方にはおすすめです。だいたい6〜7割くらいだと思います。特に高校専用の求人票が届き、推薦が貰える場合もあるので高卒で就職したい人はぜひ!ただ、問題点としては工場や設計事務所などがほとんどなので、ITやデザイン系はほぼありません。そのため、ITやデザイン系の職業に就きたい人は専門学校や大学に行きます。専門学校はお金さえ払えば基本的に誰でも入れるのでより専門性のある仕事をしたい人に多いです。2割くらいかなと思います。大学は基本的に工業科の勉強量では合格できないので、推薦で入学します。特に成績上位の生徒には、指定校推薦という99%合格できる推薦がもらえます。私もこの指定校推薦を利用しました。大学進学は1〜2割くらいだと思います。
高卒での就職を目指す生徒に対して学校からどのような支援が提供されているのでしょうか?
2年生にはインターンシップとして職業体験、定期的な面接練習、会社説明会などが私の学校では行われていました。求人票は成績上位者から選べました。これは高卒就職者だけではないのですが、将来を考えるために自己分析や適性検査なども学内で行われていました。
専門学校への進学を目指す生徒に対しては、どのようなサポートが行われていますか?
専門学校は基本的にご自由にどうぞって感じで、かなり緩いです。もちろん進路希望調査などで担任の先生とお話しする機会だったりはあります。特に専門学校に入学すると、基本的にその専門分野で就職することになるので、本当にその専門分野で良いかは聞かれますね。
大学への進学を目指す生徒に対しては、どのようなサポートが行われていますか?
大学は前述の通り、指定校推薦での進学がほとんどです。指定校推薦では評定や出席日数が重視され、評定には〇〇以上といった条件もあるので、大学進学希望者で評定が良くない生徒は就職になることもあります。この条件含め指定校推薦に関しては学校によって異なるので、ぜひ教員に実際に聞いてみてください。サポートというと指定校推薦の多くは面接や口頭試問があるので、その対策が行われます。
学校行事やクラブ活動について
学校行事やクラブ活動はどのようなものがありますか?
学校行事は普通科と多分変わらないと思います。ただ、文化祭に関しては工業科のものづくり力を活かしたような出し物をするところもありますね。例えばロボット展示やゲーム体験会などです。クラブ活動も体育系は普通科と変わりませんが、文化系だと旋盤などを使うクリエイティブ部や映像やプログラミングをするメディア部など工業科の特徴を活かしたクラブ活動もありました。
えばさんのクラスは文化祭でどんな出し物をしましたか?
私は担任があまり文化祭に力を入れない人であまり良い思い出はありません(笑)特に私は3年連続同じ担任の先生だったので(泣)1年生はランタンを作って展示、2年生はペーパークラフトでお城や世界遺産の展示、3年生は折り紙の展示でした、、、でも、部活の方の出し物もあったので私はそっちで楽しんでました1
クラブ活動は何をしていましたか?
私は自然科学部に所属していました。高校では独学でいろいろな知識をつけたいと思っていたので、できるだけ自由が効く部活に入りたかったので週1回しか活動のない、この部活にしました。あと理科が大好きだったので!別に帰宅部でも良かったんだけど笑
工業高校の生徒としての一番の挑戦について
工業高校の生徒としての一番の挑戦は何でしたか?
私は資格に一番力を入れて挑戦しましたね。工業高校にはジュニアマイスターという資格検定取得に対して表彰制度を取り入れているので、その表彰に釣られてまんまと資格を取りまくりましたね(笑)でも、いろいろな知識を幅広くつけたかった自分にとってはとても良い趣味・ガクチカだったと思います。
資格取得の過程で特に印象に残っているエピソードや苦労した点があれば教えてください。
それは工業高校生のみが受験できる資格検定です。このブログを始めた理由にもなるので話すと長くなりますが、工業高校生のみが受験できる資格検定はほとんどインターネット上に情報がありません。独学での勉強が限りなく難しいです。そこで私は、どうしてもわからない問題は捨てて、わかる問題は絶対に解けるようにしてなんとか合格点に到達しました。資格試験は合格点ギリギリでも100点でも合格ですからね(笑)
工業高校生活で最も楽しいと感じた瞬間について
工業高校生活で最も楽しいと感じた瞬間は何ですか?
楽しかった思い出はたくさんありますが、実習などで他の生徒と一緒に試行錯誤して目標を達成した時ですかね。工業高校の実習は細かい作業も多くて、少しの誤差が失敗につながることも多々あるので、グループでその細かい調整をうまくいった時は「やったー」と達成感があり楽しかったですね。
このような経験が、将来のキャリアや人間関係において、どのような影響を与えたと思いますか?
協調性やコミュニケーション力っているところには活きていると思います。もちろん普通科でもグループワークはあると思いますが、工業科の方がグループワークなど複数人で作業を行うことが多くあるので、そういった人との繋がり作業ができるという経験は良かったと思います。
工業高校を選んで良かった点について
工業高校を選んで良かった点は何ですか?
やはり高校の頃から一般科目を学びながら、専門的な知識をつけられるという点ですかね。普通科高校と専門学校の中間的な立ち位置で、高校生の頃からそういった興味のある専門的なことを学ぶことは、将来への進路を考える良い経験になりました。もし工業高校に入学していなかったら、私は今のこの大学にも進学していないと思いますし、就活の志望業界も異なるものだったと思います。
まとめ
今回は、工業高校の日々の生活、学習内容、そして生徒たちが直面する挑戦と達成感について、インタビュー形式で深掘りしてきました。
実習の充実、一般教科への取り組み、進路選択に至るまで、工業高校生が経験するリアルなストーリーを通じて、工業高校の魅力とは何か、その学びがいかに将来への道を切り開いていくかについて探求してきました。
このインタビューを通じて、工業高校に興味を持つ方々や、将来の進路について悩んでいる学生たちにとって、少しでも参考になればと思います。
工業高校での学びが、技術だけでなく、人として成長するための大切な経験にもなっていることが伝わったでしょうか。
次世代を担う若者たちが、自分たちの夢を実現するための一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
ではまた。
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