危険物乙四でよく出る問題に「指定数量」というものがあります。
危険物取扱者試験は問題数が少なく1問1問の点数が大事です。
こう言った、よく出る問題はしっかりと抑えて、本番で間違えることがないようにしましょう。
決して難しくなく、ポイントを抑えれば誰でも簡単に覚えることができます。
ぜひこの記事を読んで覚えてください!
指定数量とは?
指定数量とは、消防法の規制を受ける危険物の量です。
それぞれ危険物によって危険性が違うので、貯蔵または取り扱いの制限が異なります。
危険性が高いものほど数量は制限され、危険性が低いものほど数量の制限が緩くなっています。
そこで、「この危険物でこの量ならここまでの規制を受けてくださいね」ということを数値として決めたのが指定数量です。
また、その規制を受けるかは、計算して決めます。
危険物取扱者試験には珍しい計算問題です。
指定数量未満の場合でも市町村の条例に従わなければいけません。
第4類危険物の指定数量
品名 | 定義 | 性状 | 指定数量 | 主な物質 |
---|---|---|---|---|
特殊引火物 | 1気圧において発火点が100℃以下または 引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下 | – | 50L | ジエチルエーテル・アセトアルデヒド 二硫化炭素・酸化プロピレン |
第1石油類 | 1気圧において引火点が21℃未満 | 非水溶性液体 | 200L | ガソリン・ベンゼン・トルエン 酢酸エチル・メチルエチルケトン |
水溶性液体 | 400L | アセトン・ピリジン | ||
アルコール類 | 1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの 飽和一価アルコール(変性アルコールを含む) | – | 400L | メチルアルコール・エチルアルコール n-プロピルアルコール・イソプロピルアルコール |
第2石油類 | 1気圧において引火点が21℃以上70℃未満 | 非水溶性液体 | 1000L | 灯油・軽油・クロロベンゼン テレビン油・キシレン |
水溶性液体 | 2000L | 酢酸 | ||
第3石油類 | 1気圧において引火点が70℃以上200℃未満 | 非水溶性液体 | 2000L | 重油・クレオソート油 アニリン・ニトロベンゼン |
水溶性液体 | 4000L | グリセリン・エチレングリコール | ||
第4類石油類 | 1気圧において引火点が200℃ 以上 | – | 6000L | ギヤー油・シリンダー油・タービン油 マシン油・モーター油 |
動植物油類 | 動物の脂肉等又は植物の種子若しくは 果肉から抽出した1気圧において引火点が250℃未満 | – | 10000L | ヤシ油・パーム油・オリーブ油 ナタネ油・米ぬか油・アマニ油 |
指定数量の覚え方
品名 | 性状 | 指定数量 |
---|---|---|
特殊引火物 | – | 50L |
第1石油類 | 非水溶性液体 | 200L |
水溶性液体 | 400L | |
アルコール類 | – | 400L |
第2石油類 | 非水溶性液体 | 1000L |
水溶性液体 | 2000L | |
第3石油類 | 非水溶性液体 | 2000L |
水溶性液体 | 4000L | |
第4類石油類 | – | 6000L |
動植物油類 | – | 10000L |
特殊引火物と第1石油類をまず覚えてください。
特殊引火物=50L,第1石油類=200L, 第2石油類=1000L 暗記
全ての水溶性液体は非水溶性液体の2倍の指定数量になっています。
第1石油類(水溶性液体)とアルコール類の指定数量は同じ。
第2石油類(水溶性液体)は第2石油類(非水溶性液体)の2倍で2000L。
第2石油類(水溶性液体)と第3石油類(非水溶性液体)の指定数量は同じ。
第3石油類(水溶性液体)は上2つの第2石油類(水溶性液体)と第3石油類(非水溶性液体)を足した4000L。
第4類石油類も同様に上の2つの第3石油類(非水溶性液体)と第3石油類(水溶性液体)を足した6000L。
動植物油類も同様に上の2つの第3石油類(水溶性液体)と第4類石油類を足した10000L。
指定数量の倍数の求め方
指定数量の倍数の求め方は、危険物の量を指定数量で割ったものになります。
指定数量の倍数 = 危険物の量 ÷ 指定数量
次に例題を見ながら、実際にどうやって求めるかを説明していきます。
- ガソリン(50㍑)
- アルコール類(100㍑)
- 灯油(500㍑)
- 重油(1,000㍑)
- 動植物油類(5,000㍑)
指定数量の倍数 = 50(L) ÷ 200(L) + 100(L) ÷ 400(L) + 500(L) ÷ 1,000(L) + 1,000(L) ÷ 2,000(L) + 5,000(L) ÷ 10,000(L)
= 0.25 + 0.25 + 0.5 + 0.5 + 0.5
= 2.0
答え:指定数量の倍数は2倍
指定数量の倍数の値によって規制が以下のように異なります。
指定数量の倍数が1以上なら消防法の規制
指定数量の倍数が1未満なら市町村条例の規制
まとめ
危険物取扱者試験で頻繁に登場し、試験に合格するためには避けて通れない「指定数量」について、この記事を通じて深く掘り下げてきました。
消防法による規制が適用される危険物の量、つまり「指定数量」の理解は、危険物の安全な取り扱いだけでなく、法的要件を満たす上で重要です。
この記事では、特に第4類危険物に焦点を当て、その指定数量と覚え方を解説しました。
- 指定数量の重要性: 消防法の規制を受ける危険物の量を理解し、正確に把握する
- 覚え方の工夫: 特定の危険物の基準量から始め、水溶性液体が非水溶性液体の2倍である
- 計算方法: 指定数量の倍数 = 危険物の量 ÷ 指定数量
まとめると、この記事は危険物取扱者試験の指定数量についての理解を深める内容となることでしょう。
指定数量の計算は試験での得点源となり得るため、提供された覚え方や公式を覚えて、試験準備を万全にすることが合格への道です。
安全な危険物取扱いと法的要件の遵守を目指して、この知識を活用しましょう。
これから危険物取扱者試験に挑む皆さん、この記事が試験対策の助けとなり、試験に合格することを願っています。
ではまた。
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